フレイル・廃用症候群

フレイル・廃用症候群

「もう歳だから」と、
あきらめない。

「最近、疲れやすくなった」「やる気が出ない」。
それは、単なる年齢のせいだけではないかもしれません。加齢や、病気での入院生活をきっかけに、心と身体の元気が少しずつ失われていく。それが「フレイル・廃用症候群」です。

しかし、これらの状態は、適切なリハビリテーションと生活の見直しによって、回復できる可能性があります。
大切なのは、今のあなたの「できること」に目を向け、それを土台に、「これからも続けたいこと」をもう一度組み立て直していくことです。

「フレイル・廃用症候群」とは?

フレイルとは?

加齢によって心と身体の“予備力”が低下し、ちょっとした風邪や転倒をきっかけに、寝たきりなどになりやすい「虚弱」な状態です。しかし、早めに気づき、適切に対応することで、元の元気な状態に戻れる可能性があるのが大きな特徴です。

廃用症候群とは?

病気や怪我での入院など、「動かないでいること(安静)」が原因で、筋力や体力、心肺機能、さらには記憶力や思考力まで落ちてしまう状態です。特にご高齢の方や、重い病気の治療後(ICU治療後など)に起こりやすくなります。

起こりやすい症状・障害

以下のようなサインは、回復への介入が必要なことの表れかもしれません。

  • 筋力が落ち、歩くのが遅くなる、疲れやすい
  • バランスが悪くなり、転びやすくなる
  • 食欲がなくなり、体重が減る(特に筋肉が落ちる)
  • 何事にもやる気が起きない、気分が落ち込む
  • 物忘れが増えたり、頭がぼーっとしたりする

当院の専門的リハビリテーション

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士が、あなたの「元気」をトータルで支えます。

理学療法:動ける身体の土台をつくる

  • レジスタンストレーニング(筋力)+有酸素+バランスを、体調に合わせて“安全に増やす”
  • 歩行・立ち上がり・階段など、生活で必要な動作に直結する練習
  • 転倒リスク評価(足部・視力・薬剤・環境)と予防策の提案

作業療法:生活の中に「役割」と「楽しみ」を再発見

  • 生活行為の再構築(「できる動き」で家事・外出・趣味を再開する)
  • 省エネ動作、休憩の入れ方、道具の工夫で“続く生活”にする
  • 社会参加の再開(地域活動、役割づくり)を支援

言語聴覚:「食べる力」と「コミュニケーション」を守る

  • 嚥下機能評価と、食べる力を守る支援(誤嚥予防、姿勢、食形態)
  • 認知コミュニケーション支援(注意・記憶が落ちている方への関わり)

管理栄養士 – 回復の土台となる「栄養」を支える】

低栄養は、回復を遅らせる大きな原因です。筋力をつけるために必要なたんぱく質などを効率よく摂れるよう、食事内容や食べ方の工夫をご提案します。

よくある質問

Q
フレイルは治りますか?
A

フレイルは“元に戻り得る(可逆性がある)”ことが特徴です。運動・栄養・口腔・社会参加を組み合わせた介入が推奨されています。

Q
廃用症候群って何?
A

入院や安静、活動量低下により、筋力・体力・心肺機能・認知などが落ちた状態です。特に高齢者では低栄養が重なると回復が遅れやすいとされます。

Q
リハビリテーションは筋トレだけ?
A

筋力だけでなく、持久力、バランス、歩行、生活動作を“生活に結びつけて”取り戻すのが目的です。

Q
ICUに入っていた人は、退院後も注意が必要?
A

重症治療後はPICS(集中治療後症候群)として、身体・認知・こころの不調が退院後に出ることがあります。家族の心の負担(PICS-F)にも注意が必要です。

ご家族の方へ

ご本人が再び自信と役割を取り戻すために、ご家族の関わり方が大きな力になります。

  • 「小さな役割」を作る: 「洗濯物を畳む」「食卓を拭く」など、どんなに小さなことでも役割があると感じることが、ご本人の意欲につながります。
  • 「動く・食べる・人と関わる」を大切に: 3つの要素を、無理のない範囲で、毎日の生活に少しずつ取り入れられるよう、環境づくりをサポートしてあげてください。
  • 完璧を目指さない: 以前と全く同じようにできなくても、それは失敗ではありません。今の状態で「続けられる」生活の形を、私たちと一緒に探していきましょう。

退院後の生活で大切なこと

穏やかな生活リズムを保つことが、症状の安定につながります。
当院では、ご自宅に戻られた後も、訪問リハビリや通所リハビリといったサービスで、あなたの「自分らしい暮らし」を継続的にサポートします。

退院後の注意点

  • 「寝たきり」が最大のリスク: 疲れすぎない程度に、日中はできるだけ座ったり、立ったりして過ごす時間を増やしましょう。
  • 転倒を予防する: お部屋を明るくする、床の物を片付けるなど、安全な住環境を保ちましょう。
  • 食欲や体重の変化に注意: 食事量が減ったり、体重が減り続けたりする場合は、低栄養のサインかもしれません。早めに専門家にご相談ください。