人工関節

痛みから解放され、
歩く喜びをもう一度。
長年悩まされてきた、ひざや股関節のつらい痛み。人工関節の手術は、その痛みから解放され、再びあなたらしいアクティブな毎日を取り戻すための、大きな一歩です。
手術によって痛みは大きく和らぎますが、「関節を支える筋力」や「正しい歩き方」は、手術だけでは元に戻りません。
ここからが、新しい関節を自分の身体の一部として、最大限に活かすためのリハビリテーションの始まりです。
私たちは、あなたの「もっと自由に動きたい」という想いを、専門的なリハビリテーションで力強くサポートします。
人工関節の手術とは?-なぜ、リハビリが必要なのか-
変形性関節症などでクッションの役割をする軟骨がすり減り、強い痛みがある場合に、傷んだ関節を金属やセラミックなどでできた人工の関節に置き換えるのが「人工関節置換術」です。
手術によって痛みの原因は取り除かれますが、長年の痛みをかばううちに、
- 関節を支える筋力が弱っている
- 無意識に不自然な歩き方(跛行)が癖になっている
- 関節が硬くなり、動きの範囲が狭くなっている
といった問題が残っています。
これらを一つひとつ解決し、新しい関節の性能を100%引き出すために、専門的なリハビリテーションが必要不可欠なのです。
手術後、身体に起こりやすい変化
手術後の回復期には、以下のような変化が起こることがあります。私たちはこれらの課題に丁寧に対応しながら、リハビリテーションを進めます。
- 手術した部分の腫れや痛み
- 関節の動きの硬さ、動かせる範囲の制限(特にひざ関節)
- お尻や太ももの筋力低下
- 長距離を歩いたり、階段を上ったりすることの難しさ
- 転倒への不安から、動くこと自体がおっくうになる
当院の専門的リハビリテーション
あなたの「できるようになりたい」に応えるため、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)が、あなたの「動ける身体」と「安全な生活」を支えます。
理学療法:正しく、美しく、力強く歩くために
- 可動域訓練(膝は伸ばす・曲げる、股は安全な姿勢を守りつつ)
- 歩行再教育(左右差、骨盤の動き、杖の使い方)
- 筋力(臀筋・大腿四頭筋・体幹)、持久力の強化
- 退院後のセルフエクササイズ指導(「続けられる量と方法」)
※ガイドラインでも、術後は外来理学療法士だけでなく自宅での運動継続も有効になり得るとされています。

作業療法:生活の隅々まで、もう一度自由に
- 入浴・トイレ・床動作・家事など、生活に直結する動作の練習
- 生活環境の調整(椅子の高さ、手すり、靴や靴下の工夫、自助具)
- 「痛みが減ったのに動けない」を防ぐための活動計画(外出・趣味の再開)

よくある質問
多くの方で痛みは軽くなりますが、筋力や歩き方は手術だけでは整いません。リハビリテーションで「関節を支える筋」を育て、動作を再学習します。
術式や医師の方針で異なります(股関節の脱臼肢位、膝の捻り動作など)。退院前に“やってよい動き/避ける動き”を必ず確認します。
はい。関節周囲筋が働くほど関節は安定し、日常動作が楽になります。入院中に「自分に合った運動」を見つけておくことが大切です。
ご家族の方へ
退院後の生活では、ご家族のサポートが「再転倒の予防」に繋がります。
- 焦らず、見守る: 退院直後は、痛みはなくても筋力はまだ回復途中です。無理をせず、計画に沿って少しずつ活動量を増やせるよう、見守ってあげてください。
- お家の環境チェック: 手すりの設置や、椅子の高さを調整するなど、転倒予防と動作のしやすさの観点から、お家の環境を一緒に整えましょう。
- 手術した部分の観察: 赤みや熱っぽさ、腫れがひどくないかなど、手術した部分の状態を気にかけてあげてください。何か異変があれば、早めに病院へ連絡しましょう。
退院後の生活で大切なこと
新しい関節と、末永く快適に付き合っていくために、以下の点に注意しましょう。
当院では、ご自宅に戻られた後も、訪問リハビリや通所リハビリといったサービスで、あなたの「自分らしい暮らし」を継続的にサポートします。
退院後の注意点
- 転倒しない: 人工関節にとって、転倒による強い衝撃は大きな負担となります。外出時は杖を使うなど、安全を第一に考えましょう。
- 身体からのサインを見逃さない: 痛みが急に強くなる、足がパンパンに腫れる、傷口から膿が出る、高熱が出るなどの症状は、すぐに病院(主治医)へ連絡してください。
- 激しい運動は医師に相談を: ジャンプや長距離のランニングなど、関節に強い衝撃がかかる運動は、事前に医師の許可が必要です。